「世界バーチャルイベントの市場規模は500billion」株式会社EventHubの山本社長が語るウェビナーの今後

オフラインからオンラインへの移行が進み、需要が増えているオンラインイベントのマネジメントツール「EventHub」。今回は、そのツールを提供する株式会社EventHubの山本社長にインタビューしました。

「国内のオンラインイベントのマーケットは伸びていくフェーズ」だと語る山本さんから、市場規模やウェビナーを含めたオンラインイベントの可能性についてたっぷりと伺いました。

山本理恵

米国ロードアイランド州ブラウン大学経済学部・国際関係学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニー サンフランシスコ支社入に社し、金融・医療・パブリックセクターのプロジェクトに従事。在籍中に認定特定非営利活動法人Teach For Japanへ出向する。 2016年に株式会社EventHubを設立。

株式会社EventHubのサイトはこちら

◆目次◆

1:山本さんのご経歴と会社を立ち上げた経緯をお伺いできますでしょうか

2:「EventHub」のツールは何ができるのでしょうか

3:Zoomとの違いはなんですか

4:ウェビナーが参考になる会社を教えてください!

5:ウェビナー担当者へのメッセージ

▮株式会社EventHubについて

- 「EventHub」創業経緯を教えて下さい

山本さん:大学を卒業して新卒でコンサルティング会社に入社しました。サンフランシスコオフィスで、周りのスタートアップに刺激を受けながら社会人キャリアをスタートしました。

約17年間過ごしたアメリカでキャリアをスタートさせた山本さんですが、出向制度がきっかけで日本に引っ越すことになったと話します。

山本さん:1年間だけ好きな企業で勉強できる出向プログラムがあり、それを使って国外に住みたいと思いました。本当は日本から戻るはずだったんですけど、戻りたくないと言ったら『5年以内だったら戻ってきていいよ』と人事の方に言っていただきました。

いったん会社員から席を離れる形で、日本でフリーランスとして活動を始めた山本さん。この時期に宇宙ベンチャーやゲームベンチャーなど、さまざまな分野の事業立ち上げに関わってきました。もともとサンフランシスコにいたこともあり、次第に“起業熱”が芽生えだしたと振り返ります。

山本さん:イベントマーケティングの領域で起業した経緯としては、フリーランス時代に海外展開のマーケティングや営業をお願いされることが多く、日本国内の素敵な商品やサービスを海外に売り出すためのコンサルティングをしていました。そこで、セミナーやカンファレンスなどの外に出てPRをする重要性に気づきました。海外ではこの領域でSaaSが多かったのですが、日本はいまだに名刺やアンケートは紙。オペレーションが煩わしかったのでチャンスがあると思ったのと、自分の興味が重なり起業に至りました。

- イベントマーケットの市場規模

イベントマーケティングに精通している山本さんにぜひお伺いしたいのが、業界の市場規模。「業界の正確な規模は誰も知らない」と前置きした上で、海外の業界レポートをもとに計算した結果を教えていただきました。

山本さん:いろいろなレポートを加味した私たちなりの結論としては、世界規模のバーチャルイベントマーケットは500billion。そこからプラットフォームだけを抜き出すと22billionで、全体の4%です。日本はそのうちの6.5%、1.4billionなので約2000億の市場規模になります

市場規模がこれだけ大きく、なおかつ頭打ちではないので、ウェビナー業界には希望のある試算です。

▮「EventHub」って、何ができるの?

山本さん:大きく言うと、イベント管理ツールです。ソフトウェアを導入することで、企業さんがイベントをする時の業務や体験をアップデートできます

EventHubを使用するメリットを主に3つ挙げていただきました。

-「EventHub」は誰でも簡単

山本さん:1つ目は、誰でも簡単にできること。ウェビナーであれどオンラインカンファレンスであれど、どこからやればいいのだろうという方に対して安心安全な運営をサポートします。

-「EventHub」はデータが溜まる

2つ目は取れるデータがクリーンで豊富であること。視聴データが詳細に取れて、リード情報になります。

-「EventHub」は参加者のエンゲージメントが高まる

そして3つ目は、EventHubが価値観としている、イベント参加者のエンゲージメントをいかに高めてビジネスを生んでいくかという点。

山本さん:ウェビナーやイベントの体験はどんどんアップデートされており、参加者のリテラシーも高まっています。我々は『動画を垂れ流すだけはもう古くなります』と言っていますが、エンゲージメントの高い体験にしないといけません。オンライン、オフライン問わず情報と人との出会いやコミュニケーションからビジネスが生まれるし、リード獲得もできます。我々の哲学でもあり、そこを最大化させることを目指しています。

山本さんは「ここが一番難しいところではある」と語りますが、EventHubの本質は単なるデジタル化だけではないことが分かります。

▮ZoomとEventHubの違い

ウェビナーを開催する時のツールとして、多くの人がZoomを使っていることでしょう。そこで、ZoomとEventHubの違いについても伺いました。

-「EventHub」は初心者でも安心安全

山本さん:一つは先ほど申し上げたとおり、初心者でも安心安全にできることです。コンサルタントがいない会社を前提にすれば、Zoomさんではサクセス担当がつかず、サポートも遅いですよね。私たちの場合は、日本人のサクセス担当がついて、管理画面のデータの振り返りも一緒にします。サービスのクオリティとしてはまったく違います。

国内企業なりのサポートの手厚さや運営を担当者と伴走できるのがZoomと異なる点とのこと。さらにリード管理の観点からもZoomにはない特徴があると言います。

-「EventHub」は一気通貫

山本さん登録フォームから視聴、アンケートまで一気通貫でリードデータが揃うので、登録時やアンケートで何と言ってて、どのぐらい視聴してくれたかをきれいな形で管理できます。Zoomさんよりリッチなデータが取れ、突合作業も不要です。あとZoomをアプリで使用すると、事前登録は会社のメールアドレスだったのに、当日はプライベートのZoomアカウントで入ってしまうことが意外とあります。EventHubでは事前登録した情報がすべてに紐づくので、そういうことがありません。

Zoomが普及した反面、リード情報の突合がしにくい側面もあると指摘します。リード情報の一貫性を保つのも、企業のマーケティングにおいて重要だと感じさせるお話しでした。

▮ウェビナーが参考になる会社を教えてください!

《おすすめのウェビナー①》株式会社ユーザベース

山本さん:皆さん同じことをおっしゃるかもしれませんが、やはりユーザベースさん。個人的にも交流があるので、ウェビナーやイベントにどう向き合っているのかを伺う機会が多くて、コンテンツに対する熱量がすごい。

成果を最大化させる上でツールはもちろん大事ですが、最終的にはコンテンツ力だと山本さんは語ります。

山本さん:私たちがツールを提供しているのは、人間にしか出来ないことを人間ができるようにするためです。大変な部分に時間をかけるのではなく、大変な部分は我々が補うから、空いた時間にコンテンツに命を注ぐというのが本来あるべき姿。ツールどうこうよりも企画とかコンテンツの熱量があり、アップデートが早い会社さんに個人的に興味がわきます。ユーザベースさんはその点がお上手です。

《おすすめのウェビナー②》Slack Technologies Inc.

次に参考にしている会社として挙げていただいたのは、普段から交流があり意見交換をしているというSlack。

山本さん:Slackさんやセールスフォースさんは、マーケティングの中でもイベントマーケティングを大事にされているカルチャーがあります。オフラインも含めてイベントマーケティングにしっかりと投資をして成果を出すというのがカルチャーとなっている例です。両社はイベントマーケティングに本気の会社だと感じます。

そして誰よりもデータドリブンにマーケティングと営業をしているSlackのような会社が、イベントマーケティングに投資をしていることに意味があると続けます。

山本さん一回やったけど上手くいかなかったから、ウェビナーはチャネルとして駄目だと思わないでほしい。それでバリバリと成果をだして投資し続けている会社が世の中にはあります。そういうシンボルとして個人的には見ています。

▮ウェビナー担当者へのメッセージ

最後にウェビナー担当者へのメッセージをもらいました。

山本さん:ウェビナーは、広告やebookなどとは異なり、自社の良さを生の声で語れる唯一のマーケティングチャンネルだと思います。お客さんに響く度合いでは一番ポテンシャルがあるチャンネルであり、新しいお客さんやコネクションの接点にもなります。

また、広告やウェブサイトなどに比べてお客さんとの接点が長く、30分以上確保することができます。生の声でこんなにお時間をいただく機会はあまりありません。そう考えると自社の良さや魅力を伝える場としてとても貴重なので、1回や2回で辞めてしまうのはすごくもったいないと思います。

数回以上継続すると絶対に改善するので、ぜひチャレンジしてほしいという力強いメッセージでした。山本さん、ありがとうございました。

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