「あえて生放送にはこだわらない」 株式会社あしたのチームのウェビナー活用法とは?

ウェビナー担当者に向けて、有識者からお聞きしたノウハウを発信するこの企画。2回目の今回は、株式会社あしたのチームで年間200本以上のウェビナーを配信している坂本将太郎さんをお招きします。

坂本さんのご経験からウェビナー担当者に向けたアドバイスや集客で工夫されている点など、ウェビナーに携わる方にとっては大変参考になるお話しを聞くことができました。ぜひ最後までお付き合いください!

株式会社あしたのチームマーケティング部 メディアグループ マネージャー坂本 将太郎様 写真
坂本 将太郎

 

株式会社あしたのチーム

マーケティング部 メディアグループ マネージャー

広告制作会社にてLINE広告などを担当した後、2018年よりあしたのチーム マーケティング部へジョイン。主にSEO・コピーライティング・クリエイティブディレクションなどを担当。2021年度よりメディアグループマネージャーとしてウェビナーを運営。年間200本以上の企画・配信を実現している。

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◆目次◆

1:あしたのチームの事業内容とご経歴

2:ウェビナーの経営におけるメリット

3:ウェビナーで失敗しやすいポイントや工夫している点

4:ウェビナー担当者へのメッセージ

あしたのチームの事業内容とご経歴

 

―御社の事業内容と、坂本さんのご経歴をお伺いできますでしょうか。

坂本さん:私たち「あしたのチーム」は、中小・ベンチャー企業を中心に、人事評価制度の構築・運用をワンストップで支援している “HRテック企業” です。今までに4,000社以上の人事評価制度をお手伝いしています。

私自身はもともと地元の広島で広告制作会社の営業をしていましたが、縁があってあしたのチームのマーケティング部に入社することになり、初めはイベントの企画運営に携わっていました。その後、コピーライティングやWeb広告・SEO施策(オウンドメディア)を主に担当するようになり、今はセミナー運営をするメディアグループのマネージャーをやらせていただいています。

―いろいろと動かれているのですね。

坂本さん:そうですね。マーケティング部という括りの中での移動ではありますが、認知度アップ・リード獲得~ナーチャリング、つまり「あしたのチームのファンを増やしていく」という役割は変わっていません。来場参加型で行っていたセミナーをウェビナーに転換するという昨今の流れや、社内ではデジタルの知見がある方というスキルセットも重なり、DX化に向けて今のポジションを任されるようになりました。

 

ウェビナーの経営におけるメリット

 

―具体的な成果をお伺いできますか。

坂本さんウェビナー参加経由で受注した割合は昨対比で115%ほどと、順調に推移しています。間接的な効果も含めると、ウェビナーが関与していない受注はほぼ無いと言ってもよいほどです。リード獲得から受注に至るまでのどこかでウェビナーを視聴してくださっているケースが非常に多いです。

―ウェビナー参加がすぐ受注に繋がる、というよりはナーチャリングの一環という位置付けでしょうか。

坂本さん:そうですね。以前はセミナーも広告費を使って大々的に宣伝し、新規リードを増やしてハウスリストを拡充する、という役割がありました。しかし今では新規リード獲得よりも既にハウスリストにいる方に視聴していただき、そこからアポ・受注へ…という流れが多いです。

 

―ウェビナー担当部署のKPIはありますか。

坂本さん:セミナー参加者からの商談数・受注数などは当然追っています。ただし、セミナーからダイレクトに受注につながったケースと、間接的に受注したケースとでは分けて数字を見るようにしています。複数のセミナーに参加してくださる場合や、既に商談のアポが決まっていた方が直前に視聴されるケースなど、厳密に「このセミナーが直接の受注要因だ!」と測るのが難しい場合もあるので…。

あとはシンプルに申込者数ですね。よくリードのことを「濃い(アツい)・薄い」と分類される方は多いかと思いますが、私のグループではそこをあまり主観的に決めつけないようにしています。こちらが無理やり温度感を型にはめて定義するよりも、課題感・ニーズを掘り起こしあげる方に目を向けることが大事かなと。当然KPIは追っていますが、まずは参加者に有益な情報を届けたい」「あしたのチームを知ってほしい」という思いを一番に持って運営しています。

 

ウェビナーで失敗しやすいポイントや工夫している点

 

坂本さんがここ数年ウェビナーをやってこられてしくじりやすい、と感じた点などはあったりするのでしょうか。

 

―ウェビナーの失敗経験を教えて下さい

坂本さん:誰しもが、最短距離で受注につながるような企画でまとめようとしがちかと思いますが、それってすごく難しいですよね。ユーザーのニーズを掘り起こしていくためには、セールス・インサイドセールスなど社内の他部署との連携が大切です。自分たちよりもターゲットの声に触れる機会が多いメンバーの意見は貴重だからです。

あとは、ウェビナーにかける広告予算はプロダクトの広告予算に比べると削られがちなので、早い段階で考え方を変えて、広告予算がなくても効果を最大化できる工夫が必要です。例えば、他の外部媒体やサンプル資料のダウンロードによってハウスリストがある程度潤沢なのであれば、それらの流入経路に合わせた訴求のウェビナーを企画し、メルマガで集客する…といった具合です。

どういうテーマを、どういう人に届けたいのか。経営的にウェビナーにはどういう役割を担ってほしいのか。ここがはっきりしていれば、大きくコケることはないんじゃあないかと。

―すごく参考になります。逆に、ハウスリストがない会社が新規でウェビナーをする場合にはどうすればよいでしょうか。

坂本さんおすすめは、訴求したいターゲットや業態が近い共催先を見つけることです。

例えば、複数社が出るようなイベントはいま結構たくさんあるので、そこに協賛企業として参加して運営ノウハウを学びつつ、ハウスリストを拡充するイメージです。最初から自分たちで全て解決しようとせずに、共同開催先の力を借りながら成長する、というやり方もあるかなと。

 

―つぎに、ウェビナーの集客について教えて下さい

坂本さん広告展開しているダウンロード資料との連動性を持たせています。弊社の場合は、評価シートのサンプルを無料資料として広告展開していますが、ダウンロードした際に届く応答メールの文章に、その評価シートについて詳しく解説したセミナーの告知を入れたりしています。 メルマガについては、件名やどこでクリックされているのかなど、ツールを見ながらPDCAを回しています。同じセミナーでも、一通で200人ほど集める時もあれば数十人の時もある。メルマガは、答えがないですね。改善の余地しかない、つまり伸び代しかないということです。

 

ウェビナー担当者へのメッセージ

 

坂本さんなりにこれをやっておいて良かったことなど、ウェビナー担当者へのアドバイスはありますか。

―ウェビナーは生放送にこだわるな!

坂本さん生放送にこだわるな、でしょうか。録画でいい。

―なるほど、それは面白いですね。

坂本さん:いろいろな企業さんと共催すると、質疑応答の時間を設けたいから生放送でやりたい、と言われるケースが非常に多い。ウェビナーの場合、だいたいどの企業さんもいわゆる“社内における偉い人”が登壇されますが、生放送だとその人の時間を拘束してしまいます。

事前録画や、一度生放送したものの録画データを繰り返して使えば、その “偉い人” が営業活動をしている間に、同時に登壇もできるわけですよね。優秀な人のリソースを1日に2、3倍使えるという意味では、たとえ前回比で参加者が増えなかったとしても、人件費的な工数が削減できて効率も上がる。

―たしかに。

坂本さん:あと録画放送だとトラブルもないですよね。生放送だと、話している最中に噛んでしまったり、ZOOMが落ちたり…。このご時世ですから登壇者が突然体調不良になって欠席するケースも想定できます。今まで一度も起きていませんが、仮に録画動画を再生しているプラットフォームが落ちたとしても、別の方法で動画を共有できます。参加者からの質問も、WEBアンケートでしっかり回収できています。

―生放送にこだわる多くの人の理由に、生放送でないと参加率や受注率が下がるのでは、参加者に対して失礼なのでは、という懸念があると思いますが、両方やられて違いはありますか。

坂本さん正直、数字もユーザーの声も変わらないです。たどたどしい生放送の進行で時間内に収まらないよりは、時間内に終わるように事前に収録して、アンケートに回答するための時間も確保してあげた方がお互いにとっていい。

それと、最後に付け加えるなら、KPIばかりを求めた数字遊びのような運営はやめたほうがいいです。自分たちが伝えたいメッセージやサービス、自分たちのファンになってほしい、という気持ちは忘れないでほしいと思います。

―坂本さん、ありがとうございました。

 

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